レンジの過去

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人生最大の絶望

それは僕が大学生になった時のことでした。

 

一浪してようやく大学生になったばかりの僕は、大学デビューして彼女でも作ろうかなと考えていました。

その時の僕は大学生は当然恋愛をしているものと思っていて、当たり前のように自分にも「カンタンに」彼女ができると思っていました。

 

そこで同じ学年でそこそこ可愛い女性にアプローチしたのですが、結果は惨敗。

恋愛初心者で、女性のことなんて何もわかっていなかった僕は当然、その女性から相手にされませんでした。

 

愕然としました。

確かに絶対にその女性と付き合えるとは思っていませんでした。

 

でも、いくら恋愛経験のない僕でも1対1でデートぐらいはできるだろうと。

さすがにそこぐらいまではイケる。

本気でそう考えていた僕は会話すらまともにできない状況がまるで信じられませんでした。

その事実を突きつけられた時、僕はそれまでに感じたことのない大きな焦燥感や恐怖に包まれました。

 

そして、その時に気付いてしまったのです。

これまで女性に対して1人の男と女として接したことがないと。

苦手意識を言い訳にして恋愛を避けてきたので、どうやって異性として接したらいいかがわかりませんでした。

しかも、自分の周りに恋愛を教えてくれる人は1人もいませんでした。

 

確かに友達などに相談すれば、彼らなりの答えは返してくれます。

でも、それは「~じゃない?」みたいな本人も確信を持っていないようなものばかりでした。

もちろん、彼らは恋愛の講師でもなんでもないので、そういった反応は至って普通です。

それは理解できていたのですが、僕はさらに焦りを感じていきました。

 

 

そして、女性にモテるために何をすればいいのか見当がつかなかったことも僕の不安を加速させます。

例えば、のどが乾いたら、水道から水を汲んで飲んだり、近くのコンビニでペットボトルの水を買ってきたりすればオッケーです。

普通、何か目的があったら、その目的を達成するように行動していくものです。

 

でも、恋愛に関してはどうやって行動すればいいかわからなかったんですね。

自分の周りには恋愛について詳しく教えてくれる人なんていない。

しかも、自分で考えてもモテるためにどうやって行動すればいいかわからない。

 

八方塞がりです。

この2つの事実に直面したことによって僕は人生最大の絶望を味わうことになりました。

 

 

思えば、ここがターニングポイントだったと思います。

もし、ここで僕の心が折れてしまっていたら、自分の恋愛を完全に諦めてしまっていたら。

今、こうやって情報発信をしていることもないし、未だに女性が苦手で童貞だったと思います。

 

たぶん、ろくに恋愛もしないで何となく人生を過ごしていたでしょう。

そして、その辺のテキトーな好きでも何でもない女性と取りあえず体裁を保つために結婚。

もしくはそれすらできないまま孤独死していたのではないでしょうか。

 

でも、そうはなりませんでした。

確かに自分の恋愛に関して絶望的な気分になりましたが、どうしても諦めきれませんでした。

 

それは、

  • 周りの目を一瞬で引く様な美女と付き合ってみたいという欲望だったり
  • 周りの目を気にせず思いっきりイチャイチャしたい
  • 毎日、飽きるまでセ◯クスしてみたい

という思いでした

ドロドロとした汚い欲望です。

でも、そんな感情もあり、僕はどうしても恋愛を諦めることができませんでした。

 

そして、恋愛の道へ…

そして、当時の僕は人生で初めて恋愛について真剣に考えました。

 

どうすれば女性から好感を持ってもらうことができるのか。

自分に足りないところはなんなのか。

 

大学の勉強なんかそっちのけで常にそんなことばかり考えていました。

 

そして、自分の頭で考えてもしょうがないと思い、ネットでも様々な情報を集めました。

確か情報商材と出会ったのも、この頃だったと思います。

とにかく目についたものを片っ端から購入していきました。

おかげで毎月毎月バイト代が全部吹っ飛びましたがそれでも何もしないよりはマシです。

とにかく教材を読んでは次の教材を買い、それを読んではまた次の教材を買うという典型的なノウハウコレクターでした。

 

でも、そのおかげで恋愛に関して様々な知識を得ることができました。

そうして、知識を付けていく中でまず一番初めに僕が取り組んだのが見た目を整えることでした。

 

それまでの僕は女性を意識して、髪型を気にしたり、服をバッチリ決めることをダサいと思っていたんですね。

何がダサいのかは自分でもよくわかりません。

でも、理由もなく、なんていうか気取っていて、カッコつけていて、本当の自分じゃない別の自分で女性をダマしている。

そんな意味不明な考えを持っていました。

素のままの自分、ありのままの自分で女性と接することが、正しいことと思い込んでいたんです。

 

要はものすごく捻くれていたんです(苦笑)

「女なんか気にして見た目に気を使うとかカッコ悪い」

とか、

「あいつら、なに女子のことなんか意識してんだよ(笑)」

とか、そういった思春期特有の女子のことは気になるけど、なんか恥ずかしいから表には出さないし、行動にも移さない。

そんな中学生みたいな考えをこじらせていました。

 

見た目なんて言うと、イケメンであるとか、身長が高いとか、そういった生まれ持った部分のことを考える人が多いと思います。

でも、僕が取り組んだのはそこではありません。

僕が取り組んだ見た目と言うのは、髪型だったり、服装だったり、清潔感だったり、そういった自然な努力で改善できる部分です。

 

当時の僕は高校を卒業したばかりで見た目に全く気を使っていませんでした。

野球部に所属していたこともあり、そもそも普通の私服をあまり持っていませんでしたし、その数少ない私服も母親が適当に選んで買ってきた服でした。

 

また、髪も高校時代の坊主からそのまま伸ばして、その辺の床屋で簡単に切ってもらった程度の髪型でした。

最低限、寝癖は直していましたがセットなどは一切していません。

 

文字通り「ダサい」恰好をしていたんですね。

 

でも、それまでの僕は「見た目なんて気にしても変にお金がかかるだけだし、特にメリットもないから気を使う必要もなくね?」と、本気で考えていました。

でも、教材を読んでいく内に、こんな考え方じゃダメだと思い、まずは見た目を変えていくところから始めていきました。

 

最初に手を付けたのは髪型です。

 

それまでは小さいころから通っていた床屋で髪を切っていました。

そこに行くのを止めてファッションとかに詳しい友達におススメの美容室を聞いて、そこに行くことにしました。

 

最初はものすごく緊張しました。

それまでずっと床屋で髪を切っていた人間が清潔感があって、格式高い感じの美容室にいるのは場違いなんじゃないかと何度も思いました。

 

でも、そう思ったのは最初の方だけで、何回か行く内に美容室と言う空間にも慣れて、美容師さんとも仲良くなって、何の抵抗もなく行けるようになりました。

今では美容室で切るのは当たり前と思っているぐらいです。

料金も床屋の3倍ぐらいしましたが、その分丁寧にカットをしてくれますし美容師さんのトークも面白かったので、そこまで気になりませんでした。

(3倍と言っても、3000円ぐらいでした)

 

そして、それと同時に洋服も全て新しいものに買い換えました。

それまで使っていた母親が選んで買ってきた服を全部段ボールに詰め込んでベット下の奥底に封印しました(笑)

 

初めて自分の意思で服を選んで購入したんですね。

もちろん、自分で服を選ぶと言っても最初は何が何だかわかりません。

服の細かい分類すらわかりませんでした。

なので、最初の方はお店に行って店員さんに「一番似合う服を選んでください」とお願いしました。

 

最初はこんなこと言ったらバカにされるのかなと思ったりもしました。

でも、意外とどこの店員さんもノリノリで対応してくれることが多く、
中には、こっちが「もういいよ…」とげっそりするぐらい時間をかけて熱心に考えてくれる店員さんもいました。

ある程度、知識がついてきた後は自分で選んだりもしましたが、最初は90%以上店員さんに選んでもらいました。

 

そうやって見た目を改善していくと、何だか自分が変わっていくような気持ちになっていきます。

もちろん、見た目を改善しても変わるのは外側だけです。

肝心のコミュニケーション能力は何一つ変わっていません。

 

でも、見た目を改善するだけで、それまでの自分とは違う自分になっていく、人生が変わっていく。

そんな高揚感に似た何かを感じていました。

 

苦戦するコミュニケーション

その後、見た目を最低限のレベルまで整えた僕でしたが、本当に大変なのはここからでした。

 

というのも、見た目を整えることの対象者は自分自身です。

自分のやる気次第でどうにでもできるし、短時間で結果が出ます。

 

でも、見た目を整えた後は実際に女性とコミュニケーションを取るステップです。

この場合の対象者は自分ではなく相手の女性です。

だから、自分の意志だけではどうしようもない部分があるんです。

 

いくら自分がコミュニケーションを取る気満々でも、相手にその気がなければ、こちらとしてはどうしようもありません。

例えば、あなたが仕事終わりに疲れて、今にもその場で眠りそうな状態の時に、仲の良い同僚が、

「よっしゃー、仕事終わった!今から飲みに行こうぜ!もちろんオールな!」

なんて言ったところで、あなたはそれに付き合うでしょうか?

普通に帰ると思います(苦笑)

 

それと同じで女性がコミュニケーションを取る気をなくした時点で打つ手がなくなってしまうんです。

だから、自分としては、まだまだその女性と話したいのに女性がもういいやと思ってしまったら、そこでゲームセット。

なんてことが、当たり前のように起こります。

 

そして、僕も例に漏れず、苦戦しました。

まずは手始めにとバイト先の女の子とコミュニケーションを取ってみようと頑張ってみました。

でも、どうやって女性と会話をしたらいいかすらわかりません。

 

今、考えてみると、おそらく相当眠たくなるような会話をしていたのではないかと思います。

一応、バイト仲間なので会話はしてくれますが、すぐに女性がトイレに行ったりして、ロクに会話は続きませんでした。

 

そこで、僕は情報商材の中から会話術に特化した教材をいくつか購入し、女性用の会話テクニックを身につけようとしました。

色々なテクニックを学びました。

  • とにかく女性を褒めろとか
  • 面白いことをたくさん言えとか
  • 女性の趣味について話をしろとか
  • 女性の持ち物について話せ
  • とにかく女性の話に共感しろ
  • 時事ネタを話せ

もう忘れてしまいましたが、他にもたくさんのテクニックを勉強しました。

でも、どれも役には立ちませんでした。

 

いや、正確に言うと役に立った時もありました。

でもそれは、ある女性には役に立つが、別に女性には全く役に立たないなど、汎用性が非常に低いものばかりでした。

結局、女性に対して自信が付くことはなく、実際に話してみてうまく行ったらいいなー程度のものでした。

 

いくら女性と話して、会話の経験値を積んでいっても、手ごたえがなく、雲を掴もうとしているような感覚に陥りました。

バイト先だけではなく、合コンや紹介してもらった女性とも会話をしていきましたが、一向に状況は変わりません。

 

「一体、オレに足りないものは何のテクニックなんだ?」

 

そんなことばかり考え、常に新しいテクニックを探し回りました。

決して安いとは言えない会話テクニック教材を何個も購入して、読んで、実践しました。

何か1つ重要なテクニックを身につければ、すぐにでもモテるようになれる。

そんな風に考えていました。

 

でも、実はその時の僕に必要だったのは会話テクニックではなかったんですね。

 

師匠との出会い

それを知ったのは、ある会話教材のフォローメールの中で紹介されていた、とある人物のメールマガジンでした。

そのとある人物とは、後の僕の師匠に当たる人なのですが、師匠のメールマガジンには当時の僕にとって衝撃的なことが書いてありました。

それは「会話テクニックなんていらない、必要なのはマインドセットだ」というものでした。

その教えは当時の僕が一回も言われたことのない教えでした。

 

必死に有効な会話テクニックを探し回っていた僕ですが、実は必要だったのはテクニックではなくマインドセットだった。

テクニックを身に付けるのではなく、マインド、考え方の部分を変えていく必要があったんですね。

テクニックを追い求めていた僕は根本のところから勘違いをしていたことをこの時、初めて知りました。

 

直感的にこの人は今までの人たちとは違う。

そう感じた、僕はこの人の情報を追いかけ続けることにしました。

その後、メルマガ内で紹介された師匠の会員制の講座に迷わず入会しました。

 

そこに迷いはありませんでした。

その時はとにかく何でもいいから、いい加減結果が欲しかったんですね。

騙されてもいいやぐらいの気持ちで、入会することにしました。

 

入会した後はとにかく必死に勉強しました。

おそらく、大学受験で浪人していた時より真剣に勉強していたと思います(笑)

コンテンツは何回も読み直しました。

音声は何回も聞き続けました。

師匠のメルマガの内容は毎回確認して恋愛に活かせるものはないかチェックしました。

それだけではなく、実際に師匠に会いに行ったりもしました。

実際に会ってモテる人はどんな雰囲気なのかを直に感じました。

 

それだけ、一生懸命でした。

 

10連敗

そして、師匠の講座で勉強をしていく中で、女性とのコミュニケーションにも変化が現れるようになりました。

 

それまでは、あまり続かなかった会話が少しずつですが続くようになっていきました。

それと同時に女性が楽しそうにしていることも増えてきました。

 

それまでは、どんなにテクニックを駆使しても雲を掴むような、そんな手ごたえのなさを感じていました。

しかし、次第にこれでいいんだという確かな感覚を得ることができていきました。

 

もうすぐ彼女ができる…!

 

それまでとは明らかに違う感覚に僕はそう信じて疑いませんでした。

 

 

あとちょっとの努力で彼女ができる。

そう信じて疑わなかった僕はそれまでにも増して、行動量を増やしていきました。

当時、僕が働いていたバイト先が少々特殊な環境で、男が僕1人に対して女性が40人ぐらいの環境だったので、その環境をフルに生かしました。

とにかく片っ端からアプローチをかけていったんですね(笑)

 

もちろん、クビ覚悟です。

周りの女の子に片っ端から手を出しているなんてことが社員さんにバレたら、クビになってもおかしくありません。

 

もちろん、クビと言われたら素直に辞めるつもりでした。

そのリスクを背負ってでも、この環境を生かさない手はないと考えていたんですね。

他にも色々と考えることはありましたが腹を括って行動しました。

おかげで出会いを作り出す労力がほぼゼロで済みました。

ここに関しては本当にラッキーだったと思います。

 

そして、その結果は…

 

「10連敗」

 

でした。

 

デートに誘ったらそのまま既読スルーみたいなこともあったので、正確にフラれた数と言えばもっと少ないかもしれません。

 

でも、10人にアプローチして10連敗しました。

圧倒的大惨敗です。

擁護のしようもありません。

 

あ、ちなみにバイトはクビになりませんでした。

社員さんはどうやら僕の活動を見て楽しんでいたようです(苦笑)

 

後半の方はもうフラれたという感覚すらありませんでした。

「あー、また失敗ね、はいはい」

そんな感じでフラれても当たり前の現象として捉えていました。

もう、そのぐらい感覚がマヒしていたんですね。

 

今、思えば、この10連敗が僕の恋愛の土台を作ったと言っても過言ではありません。

たぶん、余程のことがない限り、この先の人生でこんなに女性にフラれることはないと思います。

それだけフラれました。

フラれまくりました。

 

でも、不思議と諦めや絶望といった気持ちは生まれてきませんでした。

どんなにフラれても、

「あ、ダメか。じゃあ次だ」

そんな前向き、というよりは開き直りに近い状態で次の行動に移ることができていました。

 

この時、挫けなかったのは恐らくやるべきことがわかっていたからだと思います。

多くの男性が女性にモテようと思って行動しても途中で挫けてしまうのは、その時、自分が何をすればいいか良く分からないからだと思います。

だから、いくら行動しても、自分が成長しているのか、少しでも女性にモテるようになっているのかがわからない。

そんな先の見えない状況に心が折られてしまうから挫けてしまうんですね。

 

しかし、この時の僕は師匠の講座で勉強し、自分のやるべきことがわかっていたので、挫折することなく行動を続けることができました。

 

そして、10連敗をした後に、僕はもう1つの掛け持ちしていたバイト先でも行動することにしました。

そのバイト先は10連敗した方みたいに女性が何十人もいるような環境ではなかったので、1人の女性に絞って行動していました。

 

その女性はちょうど僕がそのバイトを辞めようと思っていた5か月前ぐらいに新しく入ってきた女性で、ザ・清楚といった感じの可愛らしい女性でした。

以前の僕ならば、その女性の可愛さに気後れしてしまいアプローチすらできないか、変に積極的なドン引きされるアプローチをして、撃沈していたかのどちらかだったと思います。

 

しかし、10連敗したこともあってか、その時は冷静にゆっくり距離を詰めていく選択をしました。

いきなりデートに誘うのではなく、まずはみんなで飲みに行く。

デートに誘う時も強引に誘うのではなく、ちゃんと理由付けをして誘う。

 

失敗から学んだことを生かして、計画的に行動していきました。

そして、2人で食事に行った帰りに、その女性に告白をしました。

 

当時、その女性には彼氏がいたのですが、お互いにもう冷めていて半分以上付き合っていないような状態でした。

この話を聞いたときに僕は直感的にこれならイケると思ったんですね。

 

それに当時の僕には自分はその辺の男よりはちゃんとコミュニケーションが取れているという軽い自負がありました。

講座でしっかり勉強しているし、たくさん失敗もした。

デートでも楽しく話すことができたし、女性の愚痴を引き出して共感することもできたし、全ての歯車が完璧に噛み合った感覚がしていたんです。

 

だから、これならイケる。

 

そう信じて疑わなかった僕に彼女が返した答えは…

 

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